離婚調停を申し立てたい方へ

離婚調停を申し立てるべき場合

話し合いで解決しない場合、家庭裁判所の調停手続で解決を目指しましょう。

調停をすることで、話し合いだけではどうしようもなかったことが好転する場合があります。

調停手続をすることで事態が好転する可能性があるのは例えば、次に述べるような場合です。

 

① 相手が離婚に応じてくれない

相手が離婚を強く拒んでいる場合、話し合いにならないことはよくあります。

その場合でも、中立な第三者である調停委員を通して離婚したくない本当の理由を確認することで、話し合いが進むことがあります。

 

② 相手が感情的になり、話し合いにならない

これも、離婚の話し合いの際にはよくありますが、第三者である調停委員が間に入ることで、感情的だった相手も客観的にどう見られるかを気にするようになります。

そのため、冷静な話し合いができるようになることが期待できます。

また、調停に移ると相手方が弁護士を依頼することが多くあり、より建設的な話し合いができるようになることもあります。

ただし、相手にのみ代理人弁護士がついた場合不利な条件で離婚が成立してしまう可能性が高いので、そうなったら弁護士に依頼することを強くお勧めします。

 

③ 相手が財産開示に応じてくれない

相手が財産開示に全く応じない場合やこちらが調査をしても相手の財産がわからない場合もあります。

調停にかかると調停委員会から財産開示が求められることも多いですし、「調査嘱託」という裁判所を通じて財産に関する情報を開示させる制度をとることも可能になります。

 

④ 別居をしているが、婚姻費用(生活費)が支払われていない

別居をされている場合、生活費にお困りになられることも多いと思います。

夫婦には生活費を互いに分担し合わなければならない法的な義務がありますので、婚姻費用分担請求と言って、離婚をせずに別居をしている場合、収入の少ない側は、収入の多い方に対して婚姻費用(生活費)を請求することができます。

婚姻費用分担調停で合意できなかった場合、自動的に審判手続に移り、裁判所が双方の言い分や収入、生活状況を考慮して相当な金額を審判で決定することになり、婚姻費用を確保することが出来ます。

ですので、離婚までの生活費の確保が必要な場合は、調停を求めた方が良いかと思います。

 

⑤ 親権に争いがあり、相手に子どもを連れ去られる恐れがある

子どもの親権を争う場合、子どもを育てる能力や環境があるのか、それまで子どもがどのように養育されてきたのか、幼稚園や学校での様子、年齢によっては子どもの意見などを調査する必要があります。

家庭裁判所には、家庭裁判所調査官という法律や心理学、社会学などの知識を持つ専門家の裁判所職員がいます。裁判所が必要だと判断すれば、家庭裁判所調査官が上記のような調査をし、親権者としてどちらがふさわしいか客観的な意見を述べます。より親権者としてふさわしいのはどちらかを相手に認めざるを得なくなるようにして、面会の方法など次の協議に切り替えられるようにすることもできます。

また、子どもが相手に連れ去られる可能性がある場合、監護者といって離婚が成立するまでの間、子どもを養育する親を決める調停や審判手続もあります。

 

⑥ 相手と連絡が取りにくい、毎日しつこく連絡が来る

相手に連絡しても無視される場合、調停に移ることで何らかの反応を得られるケースが多くあります。

裁判所からは調停期日の呼出状が送付され、原則として出頭する義務があります。

また、逆に、相手からのしつこい連絡がきて困っている場合、調停へ移り裁判所を介して回答することもできます。

ただし、直接連絡を止めるためには、代理人となる弁護士に依頼し、弁護士を通して連絡をするよう通知してもらうことが一番効果的かと思います。

 

離婚調停を弁護士に依頼するメリット

話し合いの手続である調停は、調停委員が間に入ることから、ご自分でも対応できると思われる方もいらっしゃると思います。

そのようなことを、家事事件をあまり取り扱われない弁護士がいうこともあります。

ですが、それは多くの場合間違いです。

「自分の思いをきちんと伝えること」はかなり難しい技術が必要です。

調停は、調停期日当日にその場で的確な判断をし、相手と交渉をしていかなければなりません。

初めてこの手続に直面する方が、裁判所の密室で調停委員2名を相手に自分の意見をきちんと適切に伝え、話を進めていくことは一般的に難しいと言わざるをえません。

また、調停委員の先生方は、話し合いを仲介する存在ですし、事件を収める役割を担っています。ですので、あなたの思いをくみ取ってくれるとは限りませんし、相手の交渉力が強い場合はもちろん、場合によっては声だけ大きい人に有利に話し合いが進んでいく場合もあり得ます。

そのため、自分に有利な条件で離婚を進めたい場合、離婚調停を得意とする弁護士に依頼したほうが無難です。弁護士に依頼した場合、調停に同席してその都度アドバイスをすることはもちろん、ご本人の意図をくんで代わりに話もさせていただきます。

離婚調停を多く取りあつかう当事務所では、調停手続における様々なノウハウを活かして対応させていただいております。離婚の話し合いに行き詰まりを考えている方、離婚調停を一人で行うことに不安を抱えている方は、是非ご相談下さい。