【弁護士が解説】離婚に向けて別居をしたいけど進め方がわからない方へ

 

こちらの記事をご覧の方は、今の環境を変えるため離婚や別居をされようと検討・決意されているのではないでしょうか?

 

でも、実際自分から別居して何か言われないか、不利にならないか、別居の方法はどうしたらいいか不安をお持ちかと思います。

 

こちらページでは、離婚における別居の意味や、準備をすること、注意点を解説します。

 

離婚前に別居は必ず必要?

離婚前に必ず別居をしないといけないということはありません。

 

離婚自体に争いがなく、条件についてもきちんと話し合いが出来る場合は同居を選択される方もいます。

 

しかし、一般的に夫婦が離婚をするとき、別居を経ることが多いです。

 

特に、もう関係が悪化している場合や力関係がある場合、モラハラやDVなど現在被害を受けている場合は別居を行うのが一般です。

 

なんで離婚前に別居をするの?

では、なんで一般的に夫婦が離婚をする際に別居をすることが多いのでしょうか。

 

当たりまえですが、離婚を望む相手と一緒に暮らすのは精神的に強い苦痛を伴います。

 

別居をすることで冷静に話をすることが出来るようにもなります。

 

あなたがもしモラハラやDVなど現在被害を受けている場合は、その力関係や、危険性を考えて、すぐにでも別居をしないといけないでしょう。

 

また、別居は、夫婦が双方助け合って同居しながら生活を助け合う義務(同居義務)を放棄したとみなされますから、離婚が認められやすくなる効果もあります。

>>離婚に必要となる事由

 

別居をした方がいいと思われるケース

特に離婚前に別居をした方がいいケースは次のようなものです。

 

①DV・モラルハラスメント

まずは、DVやモラルハラスメントをあなたが受けているケースです。

 

この場合、相手との同居をつづけてあなたが心身を傷つける可能性が有ります。

 

また、この場合あなたと相手との間で力関係も出来ていることでしょう。

 

命や健康より大切なものは存在しないですし、この場合相手の前で萎縮してしまい、離婚交渉を進めていくことが出来ません。

 

別居して、相手と直接接触する機会を減らした上で離婚交渉を進めていくのが賢明と言えます。

DVについて詳しくはこちら>>

モラハラについて詳しくはこちら>>

 

②相手が離婚に応じてくれない

また、相手が離婚したくないと言っている場合も挙げられます。

 

この場合、同居したままでは、離婚が認められる可能性は低く、相手が離婚に踏み切ることも期待しにくいです。

 

別居をすることで離婚原因が認められやすくなる効果があります。

相手が離婚に応じてくれない場合の対応について詳しくはこちら>>

 

③相手との同居に耐えられない。喧嘩になってまともに話が出来ない。

離婚をしようと思っている人と一緒にいることは想像以上につらいことです…

 

また、離婚という一大事でまともに話が出来ない場合もあるでしょう。

 

この場合も別居をして冷静になることが適切な場合といえます。

 

 

別居の際準備をすること

別居をすることを決めても、実際に別居をするにあたってはいくつかの注意点があります。

 

証拠の確保

一度別居をしてしまうと家に戻ることは難しくなります。相手方が証拠を隠してしまう恐れもあります。

 

そのような場合、相手方の開き直りを許してしまいかねません。

 

ですので、別居までに相手方の財産状況に関する証拠や浮気、DVモラハラの証拠を確保しておく必要があります。

 

具体的には次のようなものを集めましょう。コピーもとってください。(これに限るものではありません。)

 

 財産状況

・預貯金

(どこの金融機関のどの支店かも含む)

・株式などの投資財産

(どこの証券会社か、銘柄はどこか)

・お互いの入っている保険

(どの会社のどのような保険か。解約返戻金はあるか)

・住宅に関する情報

(ローン残高、査定価格)

・相手方の給与明細

・車検証

など

 

 浮気の場合

・写真

・日記

・相手方と浮気相手とのやりとり

・相手方との話し合いの記録

など

 

 DV・モラハラの場合

・怪我の写真

・暴行暴言の録音

・診断書

・相談記録

など

 

別居後の生活の準備

別居後の生活がどのようになるのかをシミュレートして備えておく必要があります。

 

これは、あなたは幸せになるために別居をするのですから一番大事なことといえます。

 

具体的には次のようなものを検討されるといいかなと思います。

 

・別居後どこで住むか

・別居後の生活費がいくら必要か

・相手方から婚姻費用としていくら取得できるか

・子供がいる場合、転校が必要となるか

・別居のスケジュール

・引っ越し業者の手配が必要か

・別居日をいつにするか

・別居を相手方に伝えるか

など

 

別居の際の注意点

 

①別居先を相手方につたえるかついて

一般的には、離婚の交渉をこれから行わないといけませんので伝えるものです。

 

ただし、あなたがDVを受けた場合は教えてはいけません。

 

相手方はしつこくあなたに居場所を聞いてくるでしょう。

 

時には「警察に捜索願を出した」「悪意の遺棄で違法だ」「お前に慰謝料請求をする」などと言ってくると思いますが、これらの言葉に耳を貸す必要はありません。

 

万一相手方に居場所を捕まれてしまった場合、相手方が家に押し入ってきたり、暴力や連れ戻しを行ってくる可能性が高いです。

 

当事務所が取り扱った事件でも、DV加害者は執拗に離婚を望んで別居をした人との居場所を探し、一対一での会話をしようといろいろな方策をとってきます。

 

非常に危険ですので、この場合は別居先を伝えないでください。

 

➁「悪意の遺棄」にならないための別居方法

夫婦が別居する場合には、配偶者を見捨てることを指す「悪意の遺棄」にならないよう注意が必要となります。

 

民法上の規定で、夫婦には「同居義務」「相互扶助義務(お互いに助けあう義務)」があるため、正当な理由なしに一方的に別居を強行するべきではありません(民法752条)。

 

一方的に別居を強行した場合、慰謝料の支払い義務が発生する場合もあるため注意が必要です。

 

別居しても違反にならない(悪意の遺棄にならない)のは、以下のような場合です。

・相手から暴力を受けている

・相手との関係が冷え切っていて喧嘩が絶えない/家庭内別居状態である

・相手が不倫(浮気)をした

・相手との話し合いの末、双方が別居に納得している

・経済力のある側が家を出る場合、別居後もきちんと生活費を負担する

ご自身の別居が悪意の遺棄になるかどうか不安な方は、一度弁護士までご相談ください。

 

➂お子様のいる場合の別居

お子様がいる場合の別居方法は注意が必要です。

 

どちらも親権を望まれている場合、お子様と暮らす方が親権獲得に大きく近づくことになります。

 

お子さまがいつ場合に別居したい、しかも親権獲得を目指したいならば、事前にしっかりとした準備をして憂いのない状態で別居を開始しましょう。

 

④転居先について

浮気の有無にかかわらず異性の知り合いのところに別居をしないでください。

 

もし行くところがないのでしたら、岩国市・和木市内でしたら当事務所で不動産業者を紹介することも可能です。

 

くれぐれも、相手方に誤解をさせる行為はしないように気をつけましょう。

 

 

別居後の生活費について

別居後の生活費を心配される方がいらっしゃいます。

確かに一時的には大変になるかもしれません。

 

しかし、実際にはそれほど心配をする必要はありません。

 

夫婦は別居をしても、離婚する前であれば生活保持義務というものがあり、年収が低い者が年収が高い者に対して婚姻費用を請求することが出来ます。

 

具体的な額は、お互いの収入をもとに細かく計算をしていくのですが、それをまとめたものとして婚姻費用算定表というものがあり、多くの場合これを使います。

 

相手方が婚姻費用の支払いを拒む場合、なるべく早めに調停を申し立てるべきであり、

婚姻費用は一般に調停申し立て時に遡って請求出来ますが、それ以前には遡らないとされているからです。

 

 

何年別居をしたら離婚出来るのか

上で別居をすることが離婚が認められやすくなる方向に働くことを書きました。

 

それでは別居を何年すれば離婚が認められるのでしょうか。

 

これについては、一般的に3年~5年程度の別居が必要になるといわれています。

 

ただし、別居前の生活状況や、別居に至った事情によって、もう少し短い期間でも認められる事もありえます。

 

 

弁護士がお役に立てること

 

弁護士にご依頼をいただくことで、相手方との交渉・話し合いや、調停・裁判での主張、必要書類の作成などを全て代理で行います。

 

離婚の場合、感情がぶつかり、当事者間の話し合いでは解決できないケースも多くありますが、弁護士が間に入ることで、論点を整理し、解決に導くことができます。

 

また、子どもの問題やお金の問題において、依頼者の方の離婚後の生活がより豊かなものになるように、適正な条件での離婚成立を目指します。

 

特に、離婚後の生活設計は何よりも重要な視点ですので、それらについてもアドバイスをさせていただきます。

 

お一人で悩まずに、まずは一度ご相談ください。

 

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