不倫慰謝料の請求を受けたときの「やってはいけない」NG対応
不倫慰謝料の請求を受けたとき、
「どうすればいいかわからず、とりあえず動いてしまう」
というケースはとても多いです。
しかし、不適切な対応をすると、
- 支払う金額が増える
- 法的に不利な状況になる
- 交渉がこじれて裁判に発展する
といったリスクを招く恐れがあります。
ここでは、特に避けるべき“NG対応”を整理してお伝えします。
NG① 相手の連絡を無視する・放置する
「とりあえず無視すればそのうち諦めるだろう」
「怖くてどうしても返事できない」
こうした対応は、かえって状況を悪化させます。
放置すると――
- 内容証明 → 訴訟 → 強制執行へ進む可能性
- 相手が「悪質で反省がない」と判断し慰謝料増額要因に
- 相手が弁護士をつけて事態がより進む
ということが考えられます。
ですので、連絡を受け取った時点で方針を考える必要があり、
「放置=有利に働くことはほぼない」と考えてください。
NG② その場しのぎで謝罪文や示談書を送ってしまう
焦って「ごめんなさい」「支払います」など感情的に返答してしまうケースも危険です。
- 書面やメール・LINE上の謝罪は“事実の認定”に使われる可能性があります
- 慰謝料請求の根拠を補強する材料にもなりえます
- 取り消しや撤回が困難なケースもあります
また、“謝罪=法的責任を認める行為”と判断されることもあるため、言葉選びには強い注意が必要です。
NG③ 相手に会いに行ったり、直接交渉しようとする
「会って謝ればわかってくれるはず」
「こちらの話をすれば金額も下がるはず」
こうした自己判断の交渉は、むしろ逆効果です。
- 感情的対立が深まり、話し合いが決裂しやすい
- 相手が録音・記録を取っている可能性がある
- “認めた発言”や“有利な証言”を引き出される危険
という危険もあります。
慰謝料交渉は、感情ではなく法的視点で進める必要があるため、
個人で直接交渉するのはおすすめできません。
NG④ 相手のSNSや家族に連絡して反撃しようとする
怒りや不安から、
「逆に相手の家族に知らせてやる」
「SNSで暴露してやる」
という行動をとってしまう方もいますが、これは絶対にNGです。
- 名誉毀損・プライバシー侵害など“別の賠償請求”を受ける可能性
- 相手が被害者として立場を強め、交渉が不利になる
- 加害的行為として慰謝料増額要因になるケースもあり
という危険があります。
仮に相手が不当な行為をしていても、法的な手続きを踏まずに対抗すると、「自分の立場を悪化させるだけ」になってしまいます。
NG⑤ 「請求された額をとりあえず払えば終わる」と思い込む
慰謝料を支払っただけでは、必ずしもトラブルが終了するとは限りません。
- 「示談書がない」 → 追加請求される恐れ
- 「口外禁止条項がない」 → その後に不倫を周囲へ暴露される危険
- 「損害賠償以外の要求(謝罪・面会・退職要求など)」が続く可能性
という危険があります。
不倫慰謝料のトラブルは、お金を払うことが目的ではなく、問題を終わらせることが目的です。
支払いだけ先にしてしまうと、解決がかえって遠のく場合もあります。
まとめ:焦って動くほど不利になる
不倫慰謝料の請求を受けたときに、
「すぐ返事をしなきゃ」
「謝罪すればおさまるはず」
と考えて行動してしまうほど、法的に不利になる傾向があります。
①放置しない
②感情で動かない
③証拠・事実関係を整理する
④必要に応じて弁護士に相談する
――この4つは基本になりますので、意識して行動すると良いと思います。
不倫慰謝料のトラブルは、精神的にも大きな負担となり、仕事・家族・生活にも影響を及ぼしやすい問題です。
しかし、適切な手順で対応すれば、
✔︎ 過大な支払いを避けられる
✔︎ 早期に解決できる
✔︎ 相手と直接やり取りせずに済む
といった形で、負担を最小限に抑えることができます。
不安な状況にある今こそ、法的な視点で状況を整理することが大切です。
相談料は無料です。お一人で抱え込む前に、まずはご相談ください。







